No.64 債務整理 ⇒ 生活費不足のために借り入れた債務の整理

<事案>

 依頼者が生活費として借り入れられた債務の返済を怠っていたところ、債権者(新生フィナンシャル)から訴訟提起されたため、訴訟内で分割返済できるような和解をしてほしいとの依頼を受けました。

<結果>

 返済回数を74回(毎月の返済額30,000円)とする民事調停法17条に基づく決定が出ました。

<解決ポイント>

 債権者より民事275条の2(和解に代わる決定)による解決を提案されましたが、和解に代わる決定は5年内に返済を終了させなければならず、依頼者の現在の資力を勘案すると5年内での完済は困難であるため、裁判所へ民事調停法17条に基づく決定(※)を出していただくようにお願いしました。そうしたところ、裁判所より返済回数を74回とする民事調停法17条に基づく決定が出ました。本件は、債務名義は取得されたものの、債権から訴訟提起されたにもかかわらず、条件面では訴外で和解した場合よりも依頼者にとって軽負担となる結果とすることができました。

【用語解説】

「民事調停法17条に基づく決定」

 民事調停法では、裁判所が調停委員の意見を聞きながら、債務者と債権者のどちらに対しても公正な内容で和解条項を決定することが認められています。

 それがうまくいかなかった場合、裁判所が代わりに決定することになります。

「大体の内容は決まったけれど、これ以上話し合いで決めるのは難しい」というような場合に、債務者もしくは債権者が裁判所に17条決定を求めるケースが多いです。

 なお、民事調停の管轄は、相手方の住所地の簡易裁判所ですが、本件は、債権者が地方裁判所へ求償金請求訴訟を提起していたところ、受訴裁判所である地方裁判所が調停に付したうえで自庁処理したものです。

 



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